- 英文校正に出す前にすべきこと2つ
→校正に出す前に、共著者全員にちゃんと論文を読んでもらいましたか?
→ジャーナルのガイドラインをしっかり読みましたか? - 英文校正に出したあとにすべきこと
→意味が変わってしまっているところがないか確認しよう
英文校正に出す前にすべきこと2つ
はじめての論文投稿は苦労の連続です。ようやく書き上げて、上司から何度も追加実験と書き直しをさせられて、苦労の末に書き上げた論文。
とうとう出来上がった!じゃあ、英文校正に出そう!
ちょっと待って!ほかの共著者にはその論文を読んでもらった?
ちゃんとジャーナルのガイドラインを確認した?
英文校正に出すのは最後にしましょう。英文校正を出したあとに修正が必要になれば、せっかく校正に出したのに、ネイティブチェックを受けていない部分が出てきてしまいます。英語に自信があればいいですが、そうでなければ論文に不安がでてきてしまいます。
校正に出す前に、共著者全員にちゃんと論文を読んでもらいましたか?
上司に読んでもらったら大丈夫、ではダメですよ。少なくとも一度は目を通してもらいましょう。共著者への礼儀でもありますし、責任問題でもあります。同僚のやっていた研究が知らない間に論文化していて、実は自分の名前が入っていた!なんてこともありえなくはない話です。
世の中の人は論文に共著者で名前が入っていれば、その論文については当然知っているだろうと考えます。別の共著者だから気づく修正すべき点、疑問点や間違いがあるかもしれません。最近は共著者の枠組みも世界的に厳しくなっています。
大して貢献のしていない偉い人をその権威性だけで共著者に入れるなどのギフトオーサーシップなんて言葉もあり、日本ではまだまだルーズなところもあるようですが、いい加減にやっているといつか足元を掬われる人が出てくる気がします。
ジャーナルのガイドラインをしっかり読みましたか?
FigureとTable数の上限、アブストや本文の字数、参考文献数の上限は必ず確認をしましょう。また参考文献の体裁も案外面倒な作業です。Referenceがアルファベット順なのか、出てきた順なのか、DOIは入れるべきかどうかなどもあります。
最初に出す論文でだいたいのFigure数や字数などが決まると思いますが、最初の雑誌に必ず通るとは限りません。むしろ最初は少し背伸びをした雑誌に出すと思います。3番目くらいまではどこに出そうかリストアップをしておいて、それぞれのfigure/table数、字数、参考文献数を確認しておいたほうがいいです。
例えば自分の研究分野の有名な雑誌をリストアップして、3つ優先順位をつけます。最初の候補では6000字でreference無制限かつfigure/table 8つ、次は4000字でreference60かつfigure/table7つ、3つ目は3500字かつreference40でfigure/table4つだとします。
1つ目と3つ目はボリュームが違いすぎますよね。3つ目の雑誌も狙っていきたいと考えるのであれば、最初の雑誌で少しボリュームを抑えていくか、あるいは3つ目の雑誌の候補を変えて多くの字数でも出せるところにしておいたほうがいいかもしれません。このあたりの戦略はぜひ指導する上司と相談をしてください。
Referenceに関して、EndNoteやMendeleyでワードへの挿入機能を使うことに慣れていれば、それほど苦労することはないかもしれませんが、初めての投稿で、実直に頑張って入力している、という人をみたことがあります。最初の投稿ではEndNoteやMendeleyの使い方を覚えることもしなくてはなりませんが、しっかり使い方を覚えておくことで、後々に大いに役立ちます。
ちょっと追加のお金を払えば体裁を整えてくれる校正サービスもあります。お金があれば頼んだほうが楽できますが、そうでない場合、自分で簡単にできる術を身につけていたほうがいいです。
英文校正に出したあとにすべきこと
英文校正が返ってきた、よし投稿だ!
英文は良くなったかもしれないけど、内容はあってる?
意味が変わってしまっているところがないか確認しよう
英文校正が返ってきたらすべてを一度見直しましょう。
英文校正をする人はサイエンスの英語を得意としているとは思いますが、その分野の専門であるわけではありません。
自分で最初に書いた論文が拙ければ拙いほど、内容が変わって返ってくるリスクが高まると思っています。英文の間違いよりも内容の間違いのほうがダメージは大きいです。
私も一度、reviewerから意味がわからないという厳しい指摘から、英文校正で一部内容がおかしくなっていたことに気づいたことがありました。最初はあれ、自分こんなこと書いたかな?と考えてたどっていったら英文校正のときに変わっていた、というものがありました。
また英文校正でも相手は人なので、それぞれ校正者による違いというものがあります。単刀直入に言えば当たり外れが出ます。
もう一つの失敗は、内容に突っ込んでくる校正者がいたことです。この部分のメッセージをもう少し踏み込んではっきりしたほうがいいのではないか、というようなことでした。当時初心者の私は素直にその指摘に従い直したところ、見事にreviewerにその部分を撃ち抜かれました。
ぜひ当たりだ!と思った校正者だ、と思ったときにはその人の名前を覚えておき、次のときにリクエストをしましょう。個人的には、少し値段は高くても2人以上のチェックが入るサービスを利用するのが理想的だと思っています。
意味が変わっているところは自分で直して投稿するのもありだと思います。もし英語力に自信がなければ意図を伝えて再校正を依頼するということができるサービスがある校正会社もあるでしょう。一刻も早く投稿したいのにもどかしい気持ちはありますが、そういうのもありです。
次はカバーレターについて書こうと思います。
投稿したあとのことについては別に書いていますので、ぜひ参考にしてください↓