脳機能の探求

【高次脳機能障害】失認とは – わかりやすい視覚失認

視覚失認について
  • 視覚失認のいくつかの型 – 知覚型、統合型、連合型と視覚失語
  • 知覚型(統覚型)の症状が一番重い
  • 統合型と連合型は重ね絵を模写できるかどうか
  • 相貌失認は声や仕草で人を同定

失認ってまたよくわからない言葉がでてきたなぁ

私たちははさみを見たら、はさみだってわかりますよね。または友だちの顔を見たら、その人が誰だかわかりますよね。

このようになにかを見たり、聞いたり、触ったりすれば、それがなにかわかる(認知できる)という能力を持っています。

実際に見たもの聞いたものが、見えたり聞いたりできていてそれを知っているにも関わらず、見たり聞いたりするものが認知ができなくなる、というのが失認です。失認にも色々な種類がありますので、今回は視覚(性)失認に絞ってみます。

 視覚失認のいくつかの型

視覚失認は知覚型(統覚型)視覚失認、統合型視覚失認、連合型視覚失認、視覚失語があります。

漢字ばっかりでうんざりするよ

まずこのようななにかよくわからない言葉が並ぶと拒否感が出てきます。
ひとつひとつ細かくみていくとだんだんわかっていくと思います。
次の分類は症状の重たい順になります。

知覚型(統覚型)視覚失認

知覚型(統覚型)視覚失認は、形がわからないこと、そして模写ができないものです。
聴覚や触覚による認知ではわかりませんが、
文字もわかりませんし、顔の認知も障害されています。
幾何学図形が同じかどうかもわかりません。

統合型視覚失認

統合型視覚失認は物を見てもなんだかわからないものです。
物をみてもその名前や使いみちなどをいうことができません。
部分はわかりますが、全体を統合できないので統合型といいます。
模写はできますが、時間がかかります。
この統合型視覚失認では錯綜図という重ね絵の模写が障害をされています

連合型視覚失認

連合型視覚失認は図形が同じかどうかの課題や、同じ図形を選ぶものが可能になります。
物をみて、その名前や使いみちなどを身振り手振りでもいうことができません。
統合型と連合型は重なる部分が多いですが、重ね絵の模写などができることが、
統合型との違いになります。

視覚失語

視覚失語は見たものがなにかを理解しています。
模写も図形の区別もできます。
しかしそれが何であるかを言うことができないものです。
だから、身振り手振りで説明をすることができます

わかったような、わからないような

相貌失認

相貌失認は、知っている人の顔をみてもわからなくなる症状です。
見たものが顔であることは認識できます。
声を聞けばだれかわかります。
だれかわかれば、その人に関することを話すことができます。

そのため、相貌失認がある場合には、声や仕草、場所や状況で、
その人であることを認知します。

失認、わかったでしょうか

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