論文がRevisionになったら、アクセプトの可能性が高まります。しかし油断をすると落とされることもありますので、十分に注意をすることが必要です。
Reviewerのコメントの意味を何度も確認をする
Revisionになった場合、アクセプトをされる可能性は大きくあがりました。
しかし、ここからは全力でいかなければなりません。投稿してから2-3ヶ月待って、ようやく帰ってきた返事。この段階で落とされてるとなかなかのダメージです。
Reviewerのコメントを読み込む
まず帰ってきた返事をよく読み込みましょう。何度も何度も読んでください。
何度も読むことで相手の意図をだんだん理解できるようになります。
Reviewerの鋭い指摘で追加すべきことなのか、あるいは勘違いをしているのか。追加実験で解決できる問題なのか、そうではないのか。
Reviewerは一流の専門家が多いので、自分が知らなかった知見を教えてくれてたりすることもあります。
よくPubmedなんかで調べると、このreviewerは実はこの人なんじゃないか、と思い当たったりすることもあります。なかには自分の文献を引用するように、なんて親切にも書いていたり…
追加実験をすべき内容であれば改訂まで時間がかかります。並行してすすめている実験の方の手を一旦止めなくてはありません。
すぐに直せるところと、追加実験が必要なところを見分けて、タイムスケジュールを考えましょう。
他の人にも聞いてみよう
自分一人で直していると、指摘が十分理解できないことがあります。Reviewerも研究者としてはプロであっても、文章のプロではないと思うことが多々あります。
自分ひとりで解釈をしていると、ドツボにハマったり、間違った解釈をして時間が無駄になってしまうようなことがあります。そういうときには、上司や同僚に聞いてみましょう。
三人寄れば文殊の知恵といいますが、相談しながらはやめに対応策を考えていくのがベターだと思います。上司はなにがなんでも論文を通してほしいでしょうから、忙しそうでもためらってなかなか聞けない、何ていうのは得策ではありません。
論文の改訂をすすめていこう
改訂は通常、一問一答式に対応をしていきます。なぜなら大抵の場合、rebuttal letterまたはresponse letterを求められるからです。
これにはどこをどのように修正したのか、という情報が書き加えられます。どういう考えで修正したのかがわかれば、reviewerやeditorもより理解をしてもらえると思います。
また返答はできるだけ丁寧にしたほうが無難です。相手も人間ですので、不機嫌になるとまたあら探しをしたり、自分のあげた問題点に答えていないとしてreject判定をする可能性もあるからです。
Reviewerの当たりどころが悪かったら
たまに喧嘩になるようなresponse letterの書き方をする人もいますが、悪手です。
Reviewerにはいい人もいますが、研究を全否定するような、全く建設的ではないreviewerにあたることもあります。こればかりはサイエンスというより、もはや運の要素になってきてしまいます。
Reviewerはさも当たり前のように批評や批判をしてくるのに、投稿者側が下手に出なければいけないのはいい気分がしないかもしれません。
文句を言いたくなるような書き方をされることもありますが、そこはぐっとこらえて、丁寧に、また理路整然と書いていくのがいいと思います。そうすれば、エディタもわかってくれる場合があります。
あまりにひどいreviewerだと次からeditorがreviewerを変えたりすることもありますし、理不尽は指摘を除外するなど建設的ではないことをうまくハンドリングするのがeditorの仕事だと思います。
Revisionになっているということであれば、editorはその論文を掲載する方向で検討しているということです。あまりにも的外れな指摘であれば、それをeditorに伝えるのはありだと思います。ただし、その場合には別の新しいreviewerが選ばれると思っていたほうがいいかもしれません。
改訂した箇所はすべて報告する
もう一つ重要なことは、どこを修正したのか文字を色分けしたり、リスト化をしておかなければならないということです。
たまに改訂作業をしていて、間違いなどに気づくこともあります。スペルや文法の間違いくらいであれば痛くも痒くもありません。しかし、データが間違っていたということもなくはないです。
Reviseで再解析をしていますから、そのときに気づくことがあります。何度も結果をチェックしているのに、うっかりミスをしていたなんてことは人間なので、どうしても起きてしまいます。
このときは本当に焦ります。本人は冷や汗モノでしょう。もう一度データ解析を繰り返して同じ結果がでるかどうか。しかし冷静になって考えましょう。
これが出版後に気づいていたらどうだったでしょうか。
出版後だったら、correctionやerratumとして出版社に報告しなければいけません。大きな間違いだったら論文の取り下げも必要になってしまいます。
しかし、この段階でよかったと考えるべきです。引き返すことも可能です。正直にここのデータが間違っていたので、もう一度統計をやり直した、というように記載をして、reviewerとeditorに報告をしましょう。
アカデミアのこの仕組みは性善説から成り立っているとおもっています。誰もが正直に報告をして、それを信頼しているということです。
偽造あるいは間違いのデータを修正せずに良いデータをみせても、完全に検証できるわけではないので論文というのは通ってしまいますが、万が一それが判明した場合には、自分だけでなく共著者の研究者生命を奪ってしまうかもしれない、重大な事態になってしまいます。
サイエンスの信頼性を揺るがすことになってしまいます。ここで正直に申告をして、修正をする以外に研究者としての道はありません。
Revisionになったら、アクセプトまであと少しです。
ここは全力でいきましょう。