論文を投稿してから、いつ返事が返ってくるかなかなか落ち着かないかもしれません。またその返事によって悲喜こもごもで、アカデミアは苦難の連続です。
投稿してからの時間もとてもかかります。もし学位などの関係で期限までに論文がアクセプトされなきゃいけない、などの状況にあるときは、その時間も逆算しましょう。一つの雑誌で数ヶ月かかり、その挙げ句リジェクトになる、なんてことも普通にあります。
論文の投稿をしてからの流れ
頑張って書いた論文。投稿画面で必要事項をせっせと入力。
さあ、全て入れ終わった、投稿ボタン、ポチ!
ようやく大きな仕事を終えた感がありますよね!
あとはひたすら待つのみです。研究者であれば、この間に別の研究をすすめていると思います。でもステータスが気になってチェックをしてしまう人も多いのではないでしょうか。自分は結構気になってしまうタイプです。
投稿画面のステータスはsubmitted manuscriptに変わっています。投稿したけど、まだ編集者が手をつけていない状態ということです。
その後、編集者がハンドリングをすることによって、awaiting editor assignment, with editor, under reviewなどに変わります。投稿システムは同じでも、雑誌社によって設定を変えることができるので、投稿した雑誌によって表示が異なります。
編集者にも事務的な編集者と、内容を精査できる編集者(scientific editor)がいます。まずはscientific editorが内容を確認します。internal reviewと呼んだりします。
雑誌によって、internal reviewのステータスはwith editorの場合とunder reviewの場合があります。
数日から2週間前後で返事が帰ってくる場合
まずは体裁が整っていない場合、体裁を直してください、と数日で返事がきます。この場合は指摘のあった箇所を直して再投稿をします。
数日〜2週間前後で返事が帰ってくる大半はdesk rejectionあるいはeditorial rejectionになります。
これはなにかというと編集者が最初に読んで、採用しないことを決めることです。下手したら数時間ということもあります。
投稿画面のステータスが数日でfinal decisionとかawaiting decisionとかに変わってたら、ほぼeditorial rejectionです。数日でアクセプトになることはほぼありません。逆に数日でアクセプトするような雑誌はハゲタカジャーナルじゃないかと疑う必要があります。たいていは諦めて別の雑誌に出すことになります。
せっかくその雑誌に合わせて体裁を整えたのに…はじめに出す雑誌は一番通ってほしかった雑誌のはずです。憧れの雑誌かもしれません。はじめのうちはそれなりにショックで落ち込んだりします。何がダメだったのかもあまり書いていません。We regret to inform youの書き出しを何度みたかわかりません。
論文の投稿回数が増えると、rejectになってもすぐに気持ちを切り替えることが出来るようになります。気を取り直して、次の雑誌を探します。また体裁を直すところからやり直しです。
どうせリジェクトになるんだったら早い返事で時間を無駄にしなかった、と自分に言い聞かせたくなります。
2-3ヶ月くらいで返事が帰ってくる場合
ステータスははじめwith editorだったのがunder reviewに変わったとしたら、それはおしらく第一関門突破です。Editorial rejectionを免れました。その論文に関連する外部の専門家(reviewer)のところに論文が渡っています。
ほぼ最初からunder reviewだった場合にはいつその関門を突破したのかはわかりません。というのは、投稿システムはその雑誌で調整が可能で、またeditorの評価の段階でもunder reviewと表示されるところは少なくありません。そうした場合には大体1ヶ月くらい同じステータスだったら大丈夫かな、と判断をしています。
また、雑誌によっては細かいステータス表示でawaiting reviewer assignmentやawaiting reviewer scoresなどと、変化する場合もあったりします。
そこから返事がくるまでとにかく待ちます。いつステータスを確認してもunder reviewです。このままずっとunder reviewのままなのではないか、という気さえしてきます。投稿してから下手すると3ヶ月以上待つこともあります。
時間がかかるのは、reviewerが返事を返していないとき、reviewerの意見がわかれて新たなreviewerに原稿を回しているとき、新しいreviewerがなかなか見つからないとき、editorが忙しくて仕事が遅いとき、などの理由が考えられます。
しばらくすると、Awaiting AE recommendationやAwaiting decisionなどに変わります。もうすぐ結果が出るんだな、という合格発表前のドキドキした感じになります。まれに、またunder reviewにかわることがあります。その時はおそらく別のreviewerにも評価が必要と判断されたことを意味します。
そして何らかのDecisionの表示に変わってから数日の後、ようやく返事が来ます。日本は時差の関係で、朝起きたらメールが来ていた、という方が多いと思います。結果はどうだったでしょうか?
経験上、夜中にメールが来ていても、寝る前に内容を確認するのはやめたほうがいいです。その後寝られなくなってしまいます。
論文の結果を待つのは忍耐のいることです。世界中の研究者が時間のかかるシステムにヤキモキした感情を抱えています。しかしその分アクセプトされたときの喜びは大きいものです。
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