オーストリアに移住をすることになりました。約1ヶ月の出発までの期間で色々な手続きが必要でしたので、経験をふまえ、今後の参考になるようにまとめていこうと思います。
2021年10月頃の話です。手順はどんどん変わっていますので、最新の情報は在京オーストリア大使館のホームページから手に入れてください。
https://www.bmeia.gv.at/ja/oeb-tokio/
まずは自分がどのビザが必要なのかを確認しましょう。自分はビザDが必要でしたので、その経験を説明します。一発OKが出ることは少なく、大体が追加提出になったりするので、最初の訪問でしっかり揃えて行ったほうがいいでしょう。
コロナ前は大阪と名古屋にも申請できるところがありましたが、自分が行ったときにはどちらもコロナ禍で閉鎖をされていましたので、在京オーストリア大使館に行くしかありませんでした。再開状況については下のリンクを確認してください。
https://visa.vfsglobal.com/jpn/ja/aut/news/for-austrian-visa-applicant
在京オーストリア大使館は港区元麻布にあります。六本木からも徒歩圏内ですし、麻布十番駅からも比較的すぐ近くです。地方在住の方は近場のホテルで宿泊すると便利です。
ビザなしでも6ヶ月未満は滞在できる – ただし研究や雇用などにはビザが必要
まずは自分にビザが必要なのか、そうではないのか、あるいは帯同する家族がいる場合にはどうなのか、など調べ始めはわからないことばかりです。
オーストリアは6ヶ月までビザなしでも入国できますが、雇用されるなどの場合にはビザを入国前に取得しておく必要があります。またビザなし入国の場合3-6ヶ月の場合に、他のシェンゲン協定の国々は「あらゆる180日の期間内で最大90日間」の滞在が認められています。つまり、オーストリアに3ヶ月以上滞在して、他のシェンゲン協定の別の国に入った場合には不法滞在になる可能性があります。トランジットの場合にも特に注意が必要です。
オーストリアに3ヶ月以上(180日未満)滞在する日本国旅券所持者は直行便でオーストリアに出入国しない場合、非シェンゲン加盟国経由で出入国するか、シェンゲンビザを取得しなければなりません。
https://www.bmeia.gv.at/ja/oeb-tokio/reisen-nach-oesterreich/visa/
自分の場合は雇用をされるのでビザが必要、帯同する家族は不要でした。ただし、ビザは6ヶ月未満ですので、6ヶ月以上滞在の場合は滞在許可申請が別途必要になります。ややこしいところですが、ビザDを取得して、入国後に滞在許可申請を行う、あるいはビザDと滞在許可申請を在京オーストリア大使館で行うの二通りがあります。
滞在許可はすでに住むところが決まっている必要があったり、書類が別途必要でオーストリア入国前には間に合いそうになかったので、入国後に行いました。これについてはまた別の記事で説明をしようと思います。
訪問日の予約取得
ホームページを確認したところ、予約はメールでのアポイント取得になります。現在、2-3週間先まで予約がほぼ一杯という状況とのことですので、余裕を持った申込みが必要です。
この記載に気づかず悠長にかまえていたところにこの一文を見つけて相当焦りました。ビザが認められるのも1−2週間位は見ておいたほうがよさそうです。パスポートを預けてしまうので、出国ギリギリになるとかなりヒヤヒヤします。
メールにわからないことの質問も丁寧に答えてもらえます(多分)がまずはホームページを読み込むのが大切です。
必要なものは以下の通りです(2021年11月現在)。
申請用紙
申請用紙はドイツ語と英語です。意味がわかってもやっぱりわかりにくいです。
上から書いていって最初に迷うのがPlace of Birthです。Japanと書こうとしたらその下にCountry of Birthと国名を書く欄があるので、ここは都道府県名が無難でしょう。何故か日本のパスポートはガラパゴス的に本籍地の記載があり、出生地の記載がありませんが、出生地の記載があれば便利なのに、とはいつも思います。
Number of entries requestedも調べるまでよくわかりませんでした。もし帰国や他国へ行って再入国をする可能性があるのであればMultiple entriesにしておくのが安全かと思います。
Duration of the intended stay or transitには滞在予定期間を書きます。
Intended date of departureは出国予定日を記入します。滞在許可で長期に滞在する予定の場合にも出国予定日を一応記入します。例えば3年滞在する予定であれば、3年後の日にちを書いて大丈夫です。
Surname and first name of the inviting person(s) in the Member State(s). If not applicable, name of hotel(s) or temporary accommodation(s) in the Member State(s).は滞在先について記入します。到着後の一時しのぎにホテルへ滞在する場合にも、ホテルの名前を記入します。
Cost of travelling and living during the applicant’s stay is coveredは滞在中の資金が自分のお金か他からの資金か, などを記載します。
最後にPlace and dateとSignatureがあります。サインする時に場所を書くことは日本でそれほど馴染みがないですが、オーストリアでは一般的でした。Tokyo, 申請日(date-month-year)で記載すれば問題ありません。日にちから書くのが一般的です。
パスポートとそのコピー
パスポートとそのコピーを持参します。身分事項ページのコピーが必要です。パスポートは預けてしまいますので、それとは別に身分事項ページをスキャンしておくか、コピーを手元に置いておくといいです。2週間位は手元にない状態になります。滞在先受入機関とのやり取りなど、色々な場面でパスポートの番号が必要だったり、パスポートのコピーを求められたりすることがあります。某社の海外引っ越しを申し込んだときにもパスポートのコピーが必要でしたが、あらかじめスキャンをしておいたので大丈夫でした。
有効残存期間は必ず確認をしましょう。外国籍の方は日本の在留カードも必要です。
ICAO規格による最近の写真(パスポートサイズ)
写真はパスポート申請の場所の写真屋さんで撮影をしました。パスポートで使えるものであれば問題はないと思います。一か八かで行くより、確実に大丈夫なものを持っていったほうがいいです。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/ic_photo.html
旅行保険証書
十分な保証のある保険証書が必要です。旅行保険とありますが、急な疾病をカバーするものがです。自分の場合はケアコンセプト社のケアオーストリアを申し込んでいましたので、その保険証書を持っていきました。現地で公的な健康保険に入る場合には、その入るまでの期間の旅行保険に入れば大丈夫ですが、いつから公的な健康保険に入ることができるのかを受け入れ先または会社から一筆書いてもらうように同じ時間に申請に来てた人は指摘をされていました。
また当時はCOVID-19についてもカバーしている証明が必要です、と指摘をされました。病気の保険だから普通にカバーされるでしょ、とは思いましたが、明記してある必要があるとのことで、ホームページを探したのと、直接問い合わせを行い、追加で郵送の提出をしました。
雇用証明書 (現在の雇用関係を証明する在職証明書、雇用者、仕事、期間、収入)、在学証明書
在職中の方は雇用証明書や在学証明書が必要ですので、在籍機関に出してもらいましょう。退職して渡航をする場合には不要ですが、観光以外では受け入れ先からの証明(アクセプタンスレターや招待状など)になります。
フライト予約確定書
ビザがおりたら予約ではなく、すでにフライトを予約してある状態でビザ申請に行く必要があります。なので、渡航日を決めてから逆算して(できればなるべく早く)ビザ申請に行く日を決めましょう。ホームページには出発の3週間前までに、と書いてありますが、予約を申し込んでから最短で2−3週間かかることもあります。自分の場合は出発の2週間前になってしまいました。出発日が刻一刻と近づく中でパスポートがなかなか戻ってこないので、ヒヤヒヤしました。
宿泊の予約証明、ホテルの予約
すでに賃貸などで決まっている場合にはその契約書などを持っていくのがいいです。また、一時しのぎのホテルなどでも特に問題はなさそうです。自分の場合は5日分の宿泊予約をしたホテルのconfirmationをプリントアウトして持っていきましたが、問題ありませんでした。
充分な資金の証明、通帳(6ヶ月分の残高証明)
6ヶ月分の入出金明細をプリントアウトまたはコピーをして持っていきます。6ヶ月分のプリントアウトをしたつもりが1ヶ月分だけ抜けていたりしても指摘をされました。また新しく作った口座で6ヶ月分の履歴がないものよりは6ヶ月入出金履歴がある口座のほうが良いとのことでした。さらに前日の入出金歴があるほうが良いようです。2つの口座をコピーしていったのですが、一つは上記のように一ヶ月抜けていて、もう一つは新しく作った口座だったので、6ヶ月分の歴がなかったのと、名前の入った部分をコピーし忘れたので、どちらも却下になり、結局は新しくコピーした前者を郵送で提出しました。
オーストリアの次に訪問される訪問国のビザ
これについては該当しなかったので、よくわかりません。
返信用封筒
返信用封筒はレターパックプラスという赤いものになります。配達が速達並の速さですし、追跡もできますので、渡すときに追跡番号をはがして自分の手元にとっておけばいつ発送したかがわかります。ちなみに大使館にも置いてあるので、そこで買うこともできます。
返信用封筒でビザの貼られたパスポートが入って返ってきます。
再提出書類があった場合にはレターパックライトというもので提出をします。余談ですが、レターパックプラスは対面渡し、レターパックライトはポスト投函での配達になります。
やることは複雑でわからないことも多いですが、時間的に余裕のあるうちに下調べをしっかりして行った方がいいと思います。ここを参考にしている方はちょうど渡航に向けて準備している方だと思います。渡航に向けた一つ目の山場だと思いますので、頑張ってください。